肘痛でお悩みの人
〜原因を知り、早めに治しましょう!〜


肘(ひじ)は、物をつかんだり、持ったり、捻ったり、ボールを投げたり、 テニスのラケットやゴルフクラブなどでボールを打つ動作の重要な役割を担っています。 ですから、肘痛を悪化させると、日常生活にも支障がでます。 なるべく早くその原因を知り、行動を改善したり、治療を行いましょう。 肘の痛みの原因を根本的に理解することが、痛み解消の近道です。

肘痛が長く続いたり痛みが激しい時は、靱帯や筋肉が切れている場合があるため、必ず病院へ行くようにしましょう。 また身に覚えのない肘痛がある時、感染症やリウマチなどが、肘関節痛を引き起こしていることがあります。痛み止めなどで放置せずに、専門医を受診して、原因をはっきりさせて下さい。


■肘痛の原因

肘痛は、肘関節に繋がる筋肉や靭帯に炎症があり、血液がうっ血して神経を圧迫することで発生します。また、肘や肘の関節を酷使し過ぎた為に、軟骨が磨り減り、骨がこすれ合うときに神経を刺激することで起きたりします。 代表的な色々な原因を挙げてみます。思い当たる事はありますか?

@上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
痛みの原因は、肘の外側の筋肉の裂傷や炎症と考えられ、手作業を強いられる職種の方、肘や手首を酷使する主婦に多く認められます。 ひじの外側に力が入ると痛みます。

A上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
痛みの原因は、肘内側の筋肉の裂傷、腱炎です。物を持ち抱える様に作業をする方や、前腕の屈筋群を酷使するスポーツ活動をする方によく認められます。 ひじの内側のほうに痛みを感じます。

B上腕三頭筋腱炎
原因は、上腕三頭筋の停止部(肘の部分)での挫傷や筋肉の過使用です。肘を強く反復伸展させる事によって、起きます。重量挙げや砲丸投げの選手、ピッチャー、テニス選手に多く認められます。 肘を伸ばした時に痛みを感じます。

C肘頭滑液包炎
原因は、外傷や摩擦によって起きる、肘頭(曲げたときに出っ張る部分)の皮下にある滑液胞の炎症です。 肘を曲げても伸ばしても痛みがあります。

D野球肘
投球動作を積み重ねることにより起こります。特に体の出来上がっていない、小学生や中学生が無理な練習をするとなりやすく、内側側腹靭帯の損傷と外側のトウ骨頭と上腕骨小頭の変形が起きます。

E肘部管症候群
肘部の尺骨神経への圧迫によって起こる障害です。 過去の外傷による繊維組織や瘢痕組織の増殖で、神経が圧迫された事が原因となる例もあります。 小指や薬指にしびれや痛みがあり、肘の内側のくるぶしの後ろをたたくと、しびれや痛みが走ります。


■肘痛の治療と予防

肘痛は、初期の軽い段階ですと、自宅で治療し、安静にすれば完治が可能です。 しかし、痛みが増すようなら、専門医を受診して下さい。


◆自宅での治療

・安静にする
使いすぎ等で原因がはっきりしている場合は、安静にするなど、原因を取り除く事から始めます。 早く治すには、最初に無理をしないことがコツです。 痛みを生じるすべての運動、行為を控えましょう。 痛みを感じない腕の動きはOKです。

・アイシング
まず、患部を冷やしましょう。 痛み始めの、血流量が増えているときは、冷やして炎症を抑えると、血流量が減り、痛みが軽くなります。 ただし、ひどい痛みは取れたが、まだ少し痛みがある場合や、慢性的な痛みには、冷やす治療から、暖める治療に変えて下さい。 患部を温めることで、血液の循環を良くして、固まった筋肉をゆるめます。

・湿布を貼る
痛み始めには、消炎・鎮痛薬入りの冷シップを、2,3日後には、温シップを貼って下さい。

・肘を固定する
スポーツ用サポーター 肘(ひじ)用などを使って、肘への負担を和らげます。

ここまでの治療は、自宅で簡単に出来ます。すぐ安静にして、治療すれば、ほとんどの肘痛は完治できると思います。 慢性になってしまった肘痛、痛みの治まらない肘痛は、整形外科の病院、接骨院で、物理療法や薬物療法を受けましょう。


◆病院での治療

・薬物療法
消炎鎮痛薬の内服や、外用などを組み合わせて行います。ステロイドホルモンの局所注射をすることもあります。

・物理療法
冷却療法、温熱療法、電気治療、超音波療法、微弱電流療法などの「物理療法」をうまく利用することで、慢性の肘痛の早期回復にかなり効果が期待されます。 これらが効を奏しない時には手術療法となります。


◆治療と予防

肘の痛みがほぼ治ったら、マッサージ、ストレッチや筋力トレーニング、姿勢の改善などを行いましょう。

・マッサージ
専門家によるマッサージなら、強い痛みのある時期でも有効です。 ある程度、痛みが治まったら、自分でもマッサージをして下さい。 お風呂の中で肩周辺から指先まで、ゆっくり筋肉をほぐしましょう。

・ストレッチ
ストレッチは痛めた箇所を治療するためだけでなく、 痛めている場所の周辺の柔軟性や筋力を高め、痛めにくくします。 ですから、ストレッチは、治療と同時に予防もする、すばらしい療法です。 ストレッチは、今まで痛みのため、使ってなかった筋肉の柔軟性を高めます。 様子を見ながら、回数や時間を増やして下さい。
肘のストレッチの一例を挙げます。
1.肘を伸ばし脇を軽く開いた姿勢で、手首を思い切り内側に曲げて、5秒キープ。
2.同じ姿勢のまま、手首を思い切りそらして、5秒キープ。
3.同じ姿勢のまま、手首を外側にまわし腕をねじって、5秒キープ。
4.そのまま、手首を内側にまわし腕をねじって、5秒キープ。

・筋力トレーニング
肘痛の原因が、運動や仕事で、それを再開する人は、予防のために、筋力トレーニングが欠かせません。 しかし、それ以外の人は、ストレッチを続けるだけで、十分予防ができます。 筋力トレーニングは、炎症が完全にひいてから行います。 肘関節内外側部に加わるストレスに、打ち勝つだけの筋力をつける事が、予防として必要なことです。専門家の指導の下、行って下さい。

・姿勢の改善
せっかく肘痛が治っても、また同じ事を繰り返せば、肘痛が起こります。そして、それは、もっと治りにくく、繰り返すうちに治らなくなります。 原因になる行動をしなければいいのですが、それが無理なら、各自で姿勢の改善を行って下さい。 運動系が原因の人は、肘に負担のないフォームに変えてみましょう。 さらに、運動の前後にはストレッチを必ず行い、筋肉の柔軟性を高めておくことが重要です。 主婦業やパソコンが原因の人は、別のコーナーで詳しく説明します。

・肘の関節は、力を入れた状態で捻ったりすると痛めやすい。
・重いものを持って肘を伸ばしきると痛めてしまう。
・手首を動かす時には、短橈側手根伸筋というひじとつながっている筋肉が使われ、使い過ぎると肘の部分が炎症を起こして痛くなる。

などの情報も頭に入れ、肘を大切にして下さい。


■肘関節痛の治療(症状別)

肘に痛みを感じたら、患部を冷やし、痛みを生じるすべての運動をやめることです。 そして、なるべく一般生活でも肘を使わないようにします。 市販の湿布も効果があります。 それで、改善が見られなければ、早めに専門医を受診して下さい。

@上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療
上腕骨外側上顆炎は、症状が酷くなると、日常生活に支障をきたす疾患です。 お皿を持ち上げたり、指を少しそらすだけでも肘が痛むようになります。 早めに以下の治療をお勧めします。

・安静にする
この疾患は、筋肉の使い過ぎによるものですから、安静が必要です。 なるべく手や指を使わないことです。

・湿布を貼る
冷湿布が良いです。今は消炎・鎮痛薬入りの湿布もあります。

・薬を飲む
消炎鎮痛剤を内服します。痛みが和らぐので楽になりますが、 薬が効いている間、手や指、手首を酷使しないで下さい。

・注射
病院で、抗炎症剤の注射を打ってもらいます。即効性があります。

・テニス肘用バンドを使用する
サポーターを装着する事により負担を和らげます。

以上の保守的治療で治らない場合、手術療法もあります。

A上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の治療
上腕骨内側上顆炎は、外側上顆炎と比べると、発症頻度が低く、 重度の症状にならない限り、日常生活の範囲で強い痛みを生じることはありません。 しかし、初期段階で、我慢できる程度の痛みの為、治療が遅くなり、 重度の障害になりやすい傾向にあります。 治療は,上腕骨外側上顆炎の治療と同様です。 そして、保守的治療で治らない場合、手術療法になります。

B上腕三頭筋腱炎の治療
肘後方に痛みを感じたら、アイシングを施し、レントゲンで骨折が隠れてないか、確認して下さい。 上腕三頭筋(力こぶの裏側)の過使用が主な原因ですから、過使用を避けて下さい。 痛みが治まったら、筋力強化エクササイズと、ストレッチを行います。

C肘頭滑液包炎の治療
肘のところがぷくっと腫れる、外傷でおきた滑液包の炎症です。 痛風やリウマチや感染症にも同じ症状が現れるので、 血液検査等のメディカルチェックを受けて下さい。 治療は穿刺吸引して圧迫包帯をして局所の安静を保ちます。

D野球肘の治療
野球肘の肘関節痛は、成長期における過度の関節に対する負荷と筋緊張です。 骨が変形してしまう前に、しかるべき処置を施す事が将来的に重要なことです。無理をしてしまえば骨の変形が強くなり、痛みも増します。 炎症に対してはアイシングや物理療法、そして休養です。何より無理をしないようにすることが大切です。

E肘部管症候群の治療
初期でしびれや痛みが軽症の場合は、肘を安静にして、消炎鎮痛薬やビタミンB剤を内服します。 これらの保存療法が効かない場合や、筋肉にやせ細りがある場合は、手術を行います。神経圧迫を取り除く事が目的になります。


■主婦の肘痛(上腕骨外側上顆炎)

主婦には、家事が原因で肘痛になる方が多くいます。 特に30代から50代の女性は、筋肉の低下とともに、ホルモンのバランスが悪く、代謝機能が低下し、疲労が蓄積しやすいので、肘痛が起こりやすい。 そして、一度肘痛や腱鞘炎になってしまうと、なかなか治りにくく、1年以上悩んでいる方が沢山います。 最悪の場合は手術をする必要も出てくるため、注意が必要です。 肘痛は家事をしている主婦なら、誰でもなる可能性があります。


◆主婦の肘痛の原因

主婦の肘痛の原因は、肘を使い過ぎて起こるのではなく、手首を動かし過ぎる事です。 手首を動かす時には、短橈側手根伸筋という肘とつながっている筋肉が使われ、 使い過ぎると、肘の部分が炎症を起こして痛くなるのです。 フライパンを持ったり、洗い物をしたり、雑巾を絞ったり、 洗濯物を干したりして、頻繁に手首使い、肘に負担をかけてしまい、 それが積み重なると肘痛になるのです。 加齢により、筋肉が衰えてしまうことも原因の一つです。


◆肘への負担を和らげる家事の工夫

肘痛を治すためには、肘を使わないことが一番です。 しかし、主婦の場合はそれが無理なので、 ちょっとした工夫で、負担や痛みを和らげる必要があります。

・フライパンの持ち方
柄を下から持つようにします。 柄にタオルなどを巻いて太くすると、使う筋肉の効率が良くなります。

・洗い物
中華鍋やフライパンなど、重いものは持ち上げず、シンクに置いたまま洗いましょう。

・掃除機のかけ方
手首に負担がかからないように、腕を伸ばさず、柄を手前に持ち、短くしてかけましょう。

・雑巾絞り
雑巾を細くして、手首を内側にひねって絞ります。

・洗濯物
重い洗濯物を干す時は、必ず両手で持って干します。

・買い物
スーパーで買い物した時、重いビニール袋を手で持たないようにします。 リュックやキャリーバッグなどを利用しましょう。

たったこれだけの工夫で、痛みを和らげることができます。 肘痛は、働き者の主婦の勲章です。 肘が悲鳴をあげたのですから、今まで通りには、いきません。 家族に協力してもらったりして、肘を大事にして下さい。


■パソコンによる肘痛(上腕骨外側上顆炎)
現代はパソコンの時代です。全世界の人々が、パソコンを使っています。 長時間座って、指と目を酷使するため、「パソコン病」と呼ばれる現代病が現れてきました。 指を使うという動きは、指から腕、肘、肩甲骨、背中に伝わります。 長時間、パソコン作業を続けたことで、指の腱が痛んで、腱鞘炎になったり、肘に負担がかかり肘痛が起きたり、肩や背中がこったりします。

肘は、手指の動きや、力加減などをコントロールしている大切な所です。 キーボードやマウスの操作が、予想以上に肘に負担をかけていることが、肘痛の大きな原因です。 マウスやキーボードの操作は、特別大きな力は必要としないけれど、机の上に肘を乗せ、手首を上に反らせた状態での手指の細かい動きの連続は、思いのほか肘に負担を掛けています。

長時間のパソコン操作で肘に違和感を感じたら、次の事に注意してみてください。

◆疲れないマウスの使い方

マウスの使い方を工夫すれば、肘への負担を軽減することができます。

・マウスを手のひらに密着して使用する。
手首を曲げないで、手のひらにしっかりとマウスに密着させ、人差し指と中指は、マウスの先端のほうに乗せて、動かすようにします。こうすればわずかな力でクリックできるので、疲れは少なくなります。

・リストレストを使用する。
マウスの操作時に、手首が曲がってしまうひとは、リストレストを置いてみて下さい。長時間の作業による手首への負担を軽減し、快適なマウス操作を実現できます。

・左右のマウスを使い分ける。
頻繁にマウスを使う人は、時々左手用マウスを使用すると、右手の疲れがかなり軽減できます。


◆疲れないキーボードの使い方

キーボードの使い方を工夫すれば、肘への負担を軽減することができます。

・キーボードの置き場所
ノートパソコンには、関係ありませんが、デスクトップの場合、キーボードをモニタの中心点に合わせて置いてませんか?それではホームポジションに指を置いたときに、体全体が左側に少し寄ってしまうので、キーボードの「G」と「H」のキーの間を中心にして置いて下さい。

・キーボードとマウスを近づける。
右手はキーボードとマウスを頻繁に移動します。マウスをキーボードと離れた場所に置いていると、右手の移動量が増えて疲労につながるので、マウスはなるべくキーボードに近い場所で操作して下さい。

・手首を曲げずにキーボードを打つ。
キーボードを打つときは、あまり手首を曲げないで、自然な動きを意識してみて下さい。キーボードは奥が平坦に近いほど手首が真っすぐになり、負荷が軽減されます。

・パームレストやリストレストを使う。
キーボードの角度が合わず、手首を曲げて作業をしている方は、「パームレスト」と呼ばれるクッションを使ってみましょう。手首が真っすぐになり、疲労はかなり軽減されます。 一般に、ほとんどのノートパソコンにはパームレストが設置されていて、疲れにくい設計となっています。デスクトップのキーボードを使用している方は、ぜひパームレストやリストレストを導入してみて下さい。

・エルゴノミクスのキーボードを使う。
エルゴノミクスキーボードは、人間工学に基づいて設計された、手首への負担が少ないというキーボードです。手や腕も自然な位置に置くことができ、疲労軽減につながります。手・指・腕の痛みに悩む方にお勧めです。

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